農地法の目的
農地法とは
農地法(昭和27年法律229号)とは、国民の大切な食料の安定供給の確保のために、農地を農地以外のものにすることを規制したり、農地を農地として利用する人を様々な制度で支えることなどを定めた法律です。
農地法・第1条(目的)
この法律は、国内の農業生産の基盤である農地が現在及び将来における国民のための限られた資源であり、かつ、地域における貴重な資源であることにかんがみ、耕作者自らによる農地の所有が果たしてきている重要な役割も踏まえつつ、農地を農地以外のものについて規制するとともに、農地を効率的に利用する耕作者による地域との調和に配慮した農地についての権利の取得を促進し、及び農地の利用関係を調製し、並びに農地の農業上の利用を確保するための措置を講ずることにより、耕作者の地位の安定と国内の農業生産の増大を図り、もって国民に対する食料の安定供給の確保に資することを目的とする。
農地から生まれる食料は貴重な財産です。
かつてわが国の人々には戦時中、その日に食べる食料すらままならない辛い日々を過ごした経験があります。限られた農地を自由意思のもとで売却したり、誰かに贈与することを許してしまうと、貴重な食料をつくる大切な農地がなくなってしまいます。
そこで法律で一定の制限をして、農地を守り、併せて農地をよりよく利用できるように定めているのです。
そしてこの農地法の中で、例えば持ち主が変わるときや農地を農地以外のものにするときなど、それぞれに許可や届出の制度が定められています。
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農地に関する申請
農地に関する様々な申請は行政書士にお任せください。
ここでは目的別に主要な申請をまとめました。矢印から詳細な説明ページへ飛ぶことができます。
「農地を農地として活用したい」
農地法第3条は「農地」を「農地」として利用する場合の申請です。
個人や法人のかたが、これから耕作目的で農地を売買や賃借する場合は、原則として農業委員会の許可が必要になります。
「農地を相続したので手続きをしたい」
農地法第3条の3は「農地」を「相続」した場合の農業委員会への届出です。
相続時の手続きは非常に多く、本当に大変なのですが、農地に関しても届出を忘れてしまうと10万円以下の過料が科される場合がありますので注意しましょう。
「農地に倉庫をつくりたい、駐車場にしたい」
農地法第4条は自分の「農地」を「農地以外」にする場合の許可・届出の申請です。(自己転用)
例えば一定以上の面積の農作業用倉庫を建設したり、駐車場や資材置き場をつくったり。
いわゆる農地転用と呼ばれる行為で、市街化区域であるか市街化調整区域であるかによって申請の扱いが異なります。
特に許可申請の場合は厳格な審査基準とともに、県・市町村との打合せが進行していくことになります。
「家を建てたいという人に自分の農地を売りたい」
農地法第5条は自分の「農地」を別の人が「農地以外」にする場合の許可・届出の申請です。
例えば家を建てたくて土地を探している人が、農地の所有者から農地を買って、そこに家を建てるなどの場合です。
これも第4条と同じく農地転用と呼ばれる行為で、市街化区域であるか市街化調整区域であるかによって申請の扱いが異なります。
特に許可申請の場合は厳格な審査基準とともに、県・市町村との打合せが進行していくことになります。
また、同時申請同時許可の原則として、農地法の申請と併せて都市計画法上の申請や打合せも同時に進行していきます。
農地の単位 a(アール)とは?
あまり聞きなれない単位ですが、uや坪のように土地の広さを表す際に用いられる単位のひとつです。
アールは1辺が10mの正方形の面積の広さですので、
1a = 100u
となります。ちなみによく耳にするヘクタール(ha)は、1ヘクタール=10000uです。
農地法の条文ですと50アールや30アールといった数字を目にしますので、
- 50アール=5000u
- 30アール=3000u
ということになります。